2010年の活動を振り返って

2010年も大変お世話になりありがとうございました。
年末にあたり、代表の非公式な雑感を書かせていただきます。


今年もたくさんのストランディング情報をお寄せいただきました。
特筆すべきストランディングとしては、2010年9月25日函館に漂着したタイヘイヨウアカボウモドキ(SNH10053)です。国内2例目、新鮮な個体の調査としてはほとんど初めてという大変希少な鯨種で、各方面のご協力を頂き、調査をすることができました。メディアにも広く取り上げていただきました。
3月26日小平にザトウクジラ(SNH10008)が漂着しました。道内日本海側では初めての漂着記録となりました。骨格標本を作るために、小平町内に埋設させていただきました。小平町には一方ならぬご協力をいただきました。帰り際に、となりの留萌でツチクジラ(SNH10011)が漂着し、旅程を一日伸ばして、急遽調査することとなりました。1週間後の4月7日八雲町落部に12mのマッコウクジラ(SNH10013)が漂着しました。非常に大きな個体で、調査には大変苦労しました。学生が尽力してくれました。
6月には、羅臼でのイシイルカの混獲の報告が相次ぎました(SNH10026など)。これは東京農大の小林万里先生が積極的に情報収集した結果によるものです。情報と標本の提供、ありがとうございました。
10月30日羅臼(SNH10055)と11月24日稚内(SNH10057)でシャチが漂着しました。シャチの漂着はSNHが始まった2007年以来初めてです。
2010年は、今のところ、60件のストランディング情報をSNHに寄せていただいておりますが、今後、日本鯨類研究所に直接寄せられた道内の混獲鯨情報などが加わることが予想されています。
2011年3月までに報告書をまとめ、2009年の報告書と共に、各方面に送付する予定にしております。
7月10日~9月26日まで、国立科学博物館で大哺乳類展 海のなかまたち が開催され、大変多くの方にストランディング調査の成果を見ていただく機会となりました。ストランディングネットワーク北海道が関わった漂着鯨の標本も多数展示されていました。
11月6日~7日には、北水祭において骨格標本の展示も行われ、函館の多くの皆様にも見ていただく機会ができました。
SNHの活動、特に調査には、北海道大学鯨類研究会等の学生が大変尽力してくれています。彼らの協力なしには、これだけの調査は出来ません。また、関係研究機関からも、たくさんの援助、協力をいただいております。感謝いたします。
2011年も、多くのストランディング情報と標本を集め、鯨類研究に寄与したいと考えておりますので、ご協力のほどよろしくお願い致します。
ありがとうございました。