2011年ストランディングネットワーク北海道活動報告書

11repot_cover.jpg2011年1月~12月の北海道内のストランディング情報を掲載した報告書ができあがりました。こちらよりダウンロードしてご覧下さい。
2011年1~12月に受報した情報は、56件61頭でした。鯨種別では、ネズミイルカ15件17頭、ミンククジラ12件12頭、カマイルカ10件10頭、イシイルカ8件11頭、ツチクジラ2件2頭、アカボウクジラ、オウギハクジラ、コマッコウ、ザトウクジラ、セミイルカ、ハッブスオウギハクジラ、マッコウクジラがいずれも1件1頭などです。


特筆すべきストランディングとして、以下のストランディングを挙げます。
2011年7月28日に登別市鷲別において、セミイルカ(SNH11033 体長138.5cm ♂)の漂着がありました。セミイルカは国内での漂着報告が5件程度と極めて少なく、道内では2004年にえりも町で漂着したとの報告があるのみでした。
2011年9月20日に苫小牧市樽前において、コマッコウ(SNH11043 体長222.8cm ♀)の漂着がありました。日本全国で年に年に4件程度、関東を中心に本州太平洋沿岸での漂着報告がありますが、北海道内での漂着は1997年(苫小牧市有明)、2004年(茅部郡森町)、2005年(浦河郡浦河町)以来4例目となります。なお、2006年には白骨化したオガワコマッコウが浦河郡浦河町で発見されています。
2011年5月29日に二海郡八雲町内浦町にて、ハッブスオウギハクジラ(SNH11016 体長510cm ♂)の漂着がありました。今までに国内で報告されている漂着は20件足らずで、SNHが調査を開始する2007年以前は道内では2004年にえりも町での漂着報告のみでしたが、2008年に新ひだか町、2009年に根室市、そして2011年の八雲町と、道内での漂着例が多くなってきています。
2011年7~9月に、カマイルカの漂着が9件続きました。その内の8件は、道南太平洋沿岸に集中していました。カマイルカの道内での漂着は過去5年平均で5.6件であり、今年の報告件数10件は過去5年最高件数でした。
ストランディングネットワーク北海道が2007年より2011年末までの5年間の受報件数は、327件344頭でした。鯨種別では、ネズミイルカ95件102頭、ミンククジラ76件76頭、イシイルカ44件54頭、カマイルカ28件28頭、オウギハクジラ15件15頭、ツチクジラ、マッコウクジラがそれぞれ9件9頭など、18種が報告されています。年間報告件数は55件(2007年)~78件(2008年)、平均65.4件でした。
SNHでは、引き続き道内の漂着鯨類情報および標本採集を行い、鯨類研究に寄与したいと考えています。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
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