年間受報件数が過去最高になりました

年初からの累積受報件数を創立した2007年以来調べたところ,過去最高となりました。8月に入って8日間で10件とハイペースで鯨類漂着の報告を受けておりました。その後,9月以降は落ち着いたとは言え,10月中旬まで例年を上回るペースとなり,2020年は第2位2009年79件を16件上回る95件となりました。

8月にハイペースであった時期はカマイルカとスジイルカの漂着が目立ちます。カマイルカは相当に腐敗が進んだ個体が多い一方,スジイルカは漂着後に死亡した個体も見受けられます。地震発生との関連が議論される,マスストランディング(群れごと砂浜に上陸してくる)とは様相が異なっています。

生物学的な共通の特徴は,いまのところ認められませんが,通報の経緯などから,初めての一般の方からの通報が多いこと,また,海岸管理者の振興局建設管理部に連絡すると我々に通報するように示唆されて市町村の担当者が通報してくださるケースが目立ちます。

ストランディングネットワーク北海道へ通報すると活用されるということが,広く知られるようになったことが,通報件数を引き上げている一因のように思います。twitterFacebookでのアクセスも多くなったことも一因ですが,今までご対処いただいていた建設管理部担当者の方が後任に引き継いだり,転勤先で広めてくださったりしているのだろうと思います。大変ありがたく思っています。

漂着場所が最寄りの調査隊から遠かったり,通報が重なった場合,その他様々な状況によって,現地に出動できないこともあります。特に8月は調査隊のメンバーが帰省等で揃わなかったり,漂着鯨類研究者の集まりがあったりして,出動できない可能性もありますが,通報された漂着はできる限り活用したいと考えています。通常は調査に出動しない状況でも,たまたま近くに調査隊が出向いていたりする場合は,調査に出向けることもあります。

もし,北海道でイルカ・クジラの漂着を見かけたら,お知らせいただければ幸いです。詳細はこちらをご参照ください。